“聞き上手”になって、伸ばす。

私は現在、賃貸管理部サブリース課の課長をしています。部署全体としては、管理物件数の増加、オーナー様の満足度向上、お預かりしている資産の増加がミッションになっています。

管理職になってから、新人教育を担当したのは４名ほどでしょうか。それぞれ思い出深いですね。新人教育は、新人が成長していく過程であることは間違いないのですが、反対に、教育担当が教えられ、学び、変わっていくことも多いと思います。

私自身も、ここ何年かの経験で、少しずつ自分のスタイルが変わってきました。最初は、トップダウンのスタイルが強かったように思います。仕事の性質上、お客様対応でミスは許されませんから、どうしても「こうしなさい」という指示になってしまうところがあります。私自身も、どちらかというと“せっかち”な性格ですから、輪をかけてその傾向が強かったように思います。

ただ、時間とともにそのスタイルは変わってきました。今はもっとメンバーとの対話を重視しています。業務指示の場面一つをとってみても、よく話し合いをしないと、指示したことを、メンバーが違う解釈で理解することがあります。そうなると、お客様にご迷惑をおかけしますし、メンバー自身にもつらい思いをさせてしまいますから。しっかり時間を取って、指示の背景や理由なども伝えるようにしています。

また、話し合いの場では、メンバー自身が感じている思いや、「こうしたい」という意向を聞き取るように注意しています。私が指示したことを、指示通りやってお客様に評価されたとしても、メンバーの嬉しさは半分くらいではないでしょうか。それよりも、自分が考えた提案が受け入れられ、評価された方が何倍も嬉しいはずですし、その経験が人を成長させると思っています。その意味でも、対話は大切だと思っています。

チームプレーの意識を持ってほしい

サブリース課はまだ新しい部署で、十分な人員がいるわけではありません。ですから、新しいスタッフであっても、しっかりと役割をこなしてもらう必要がありますし、課全体に貢献してもらうことを期待しています。こういうと、少し厳しいように聞こえてしまうのですが、本当の思いは少し違うんです。

私たちは一つのチームですから、それぞれが果たすべき役割があります。それができたかどうかで評価されるのが自然な姿ですし、役割をこなせなければ周囲に負担をかけてしまいます。新しいスタッフに期待したいのは、この「チームプレーの意識」を常に忘れないでほしい、ということですね。それがあって、初めて本当の仲間、チームメイトとして認められると思いますし、私たちも早く認めてあげたいというのが本音ですね。